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IVSを振り返る「激アツ!アフリカ大陸はWeb3ネイティブな大陸になる」

2023/07/302023/11/02たこやき

目次

今回の記事では2023年6月28日〜30日に開催されたスタートアップ・クリプトカンファレンス「IVS2023 KYOTO / IVS Crypto 2023 KYOTO」にて実施されたセッションを取り上げます。


セッションの様子

登壇者

成田 葵(Emurgo Kepple Ventures, Director)

  • アフリカで主にWeb3投資を担当
  • ナイジェリア在住

Akim(VeryLongAnimals, Founder/Artist)

  • NFTプロジェクト、ベリーロングアニマルズファウンダー

原沢 陽水(mycel, Co-Founder)

  • 東京とオランダの二拠点をベースとして活動
  • マルチチェーン対応型DNSサービスmycelCEO

品田 諭志(Kepple Africa Ventures, General Partner)※モデレーター

  • アフリカで日系最大のベンチャーキャピタルを運営
  • ナイジェリア在住8年


ローカルWeb3として最も興味深かったのは「激アツ!アフリカ大陸はWeb3ネイティブな大陸になる」と題されたセッションです。筆者はアフリカでWeb3が注目されていることは知りませんでした。


本セッションでは在アフリカで活動するVCの品田さん、成田さん、また実際に現地に足を運んだベリロンファウンダーのAkimさん、mycelCEOの原沢さんが経済的なファンダメンタルから現地の人と話して感じたことまでマクロtoミクロの視点でアフリカ×Web3について語って頂きました。


日本のローカルでWeb3事業を行うにおいてもヒントが沢山あったと思います。以下ポイントを絞って記事にしましたのでご一読ください。


サントメ・プリンシペ民主共和国を登壇者で訪れた際の写真(写真提供:成田氏)
同国はWeb3のハブとなるべく外部の知見を積極的に活かしていく方針。

アフリカのオタクは特権階級!?

アフリカでネットにアクセスしてNFTを買える層は日本で同じことができる層とは明らかに違う模様です。NFTも海外向けに売るという話はよく聞きますが「海外」ということの解像度をもっとあげる必要がありそうです。

「アフリカでインターネットにアクセスできて、携帯電話をいじってるっていうだけで特権階級。Twitterを見て、ベリロンを知ってイベントに来てくれる人はナイジェリアのかなりイケてる若者。」品田氏
「体感ベリロンファンの30%がナイジェリア人」Akim氏
「ナイジェリア人に向けてベリロンを提供するのはお金をもらうのではなく、時間をもらうことだと認識している。」Akim氏

ナイジェリアで暗号通貨、Web3が熱いのは自国通貨が信用できないから

改めてWeb3の理念・思想について思いを巡らせるきっかけになりました。極力人間の仲介を排除し、スマートコントラクトによる自動執行を進めていく環境としては現状の仲介機能に何らかの問題があるほうが適しているようです。

「ナイジェリアの通貨であるナイラ(Naira)は激しいインフレにさらされており、あっという間に価値が下落する。自国通貨よりもビットコインの方が安定している。」成田氏
「ナイジェリア人はアメリカ、イギリスに出稼ぎに出ている人も多い。自国に送金するのにこれまでは中間業者に多額のフィーを払っていた。暗号通貨を使うと中間排除ができて送金コストが格段に安くなる。」成田氏
「アフリカ全体において何でWeb3なのか?という点について、アフリカは半分以上の人がギグワーカー。また1か所からの給料だと暮らせないのでみんなサイドハッスル(副業)している。Web2的にプラットフォーマーが一人一人オンボーディングしていくのは大変なうえ、中抜きが激しくなる。分散型のスマートコントラクトで個人をエンパワーメントしていくことが重要」品田氏

Web3とWeb2を繋ぐサービスの勃興

暗号通貨とFIATを繋ぐサービスが出てきている模様です。RWA(Real World Asset)と暗号通貨を結びつける流れは今後強まっていくと感じました。

「Web2スタートアップ向けベンチャーデットとWeb3のトレジャリーを繋ぐサービスが出てきている」成田氏
「Kepple Africa Venturesが2018年から2021年まで投資した会社100社のうち、15社がWeb3関連。例えばスポーツベッティングに使うはずだっ賭け金をプールしておいてDefiで運用し、利息を配分するような”no loss betting”のサービス。」品田氏

Web3を触っている人口が桁違い

日本ではよくNFTを買っている層は1万人程度だと言われています。アフリカはマーケットの規模は段違い、また英語が使えるのも大きな利点の1つです。

「兎に角人口が多くWeb3触っている率も高い(30%!日本は数%程度)何千万人の市場がある。」Akim氏
「資金調達する場所とエンゲージメントを高めていく場所は違っていてもいいと考えている。例えば日本ではすごく頑張っても(Web3)では30億円が限界、これが北米だとその10~100倍となる。(アフリカはエンゲージメントを高めていく場所では)原沢氏」
「英語で盛り上げりが表現できるのがアフリカのいいところ。北米、ヨーロッパ圏に盛り上がりが伝わる」Akim氏
エジプト:クリプト規制厳しい、南アフリカ:いい人材がいる、Web3は黎明期。今後南アフリカから世界を狙うスタートアップが出てくる予感がある。ケニア:環境意識が高い人が多い。Refi領域で起業しようとしているスタートアップが多い。

著名なアーティストでもマネタイズできていない?

アフリカ発のアフロビーツという音楽のトップアーティストDavidさんは渡辺直美さんよりもインスタフォロワーが多いそうです。そんなDavidさんでも年収が数千万円程度とのこと、、Web3でファンと直接繋がる基盤が確立できれば食べていけるアーティストの数はもっと増えるのかも。

「ナイジェリアから生まれたアフロビーツという音楽がある。一番有名なアーティストDavidoはインスタのフォロワーが1,600万人いるがライブに行ってもグッズ売り場がない。世界中で人気があるにも関わらずマネタイズできていない。Web3を使ってファンコミュニティを作ってマネタイズに貢献していきたい」成田氏
「音楽は最初から違法ダウンロードで聞くものという認識がある。Kepple Africa Venturesの投資先でSpotifyのような会社があるが消費者はお金を払う必要がなく、広告でマネタイズしていく」成田氏
「通信料もけちるので公共の無料Wifiスポットで音楽をダウンロードしている。誰がどの音楽をダウンロードしたか把握できるのでターゲティング広告でマネタイズしている」品田氏


登壇者それぞれの視点で一次情報を語っておられてとても面白いセッションでした。アフリカ特有の背景(既存インフラが信用できない)がありWeb3が浸透いる事情もありますが日本の地方にも共通する部分を感じました。


たこやき

ローカルWeb3編集長(締切に全然厳しくありません)

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