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論考ふるさと納税NFT

「ふるさと納税×NFT」を捉え直す

2023/03/292023/10/23mitsui

目次

この記事は、昨今盛り上がりを見せている「ふるさと納税 × NFT」を捉え直すことを目的としています。その現状と課題、そして可能性について考察していきます。

1.ふるさと納税とは?

まず改めて「ふるさと納税」という制度のおさらいから入ります。
ふるさと納税とは、住民税などを納める市町村のうち、ふるさと納税制度に参加している自治体に対して寄附を行うことで、寄附した自治体から特産品や観光商品などを返礼品として受け取ることができる制度です。

出典:https://furunavi.jp/beginner.aspx

(ふるさと納税に興味のある方はこちらから商品を探してみてください!)
ふるなび(検索窓で「NFT」と検索!!)

返礼品の内容や金額は自治体によって異なり、寄附額に応じた特典がある場合もあります。例えば、寄附額が一定額以上であれば、特別な返礼品がもらえたり、地域のイベントに参加できたりすることもあります。自治体によっては、返礼品の中には、その自治体の特産品や名産品が含まれていることが多いです。
また、ふるさと納税は、自治体にとってもメリットがあります。自治体は、返礼品に対して税金控除を適用することができるため、自治体にとっては地域振興につながる制度となっています。さらに、ふるさと納税によって集まった寄附金は、自治体の財政にも貢献するため、自治体にとっても非常に重要な制度となっています。
例えば、「ふるなび」というサイトを見てみましょう。ランキング1位の佐賀県上峰町は1万円を納税すれば、さがみのり20kgを貰うことができます。

出典:https://furunavi.jp/ranking_total.aspx

このふるさと納税制度は、2006年から議論が生まれ、2008年に施行されました。この制度が導入された理由は、地方自治体の財政状況が厳しくなっていたことにあります。景気低迷や人口減少による税収減少などが影響し、自治体の財政状況は悪化していました。そのため、地方自治体が財源を確保するための新しい手段が必要とされ、ふるさと納税制度が導入されました。

また、従来は生まれ育った地域と就職先が異なる場合、現在住んでいる地域に納税するため、ふるさとへ還元する仕組みがありませんでした。そのような声も反映してふるさと納税制度が作られました。

出典:https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/about/
つまり、ふるさと納税制度は、国民にとっては自分が生まれ育ったふるさとや応援したい市町村を応援することで商品も受け取りと所得控除につながり、各市町村は新しい財源を確保できる、画期的な仕組みです。
この返礼品(寄付に対しての地方自治体からのお礼)にNFTを発行する自治体が増えています。

2.ふるさと納税×NFTの事例

では、実際に行われている事例を幾つか紹介します。

北海道余市町


初期の成功事例として知られているのが北海道余市町の事例です。ふるさと納税NFTを手掛けるあるやうむ株式会社の最初の事例としても知られています。アートNFTの他にもCNPやマイクリとコラボしたふるさと納税NFTも販売しています。

↓こちらの詳細は別の記事にて解説しているので、ぜひご覧ください。
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岩手県遠野市


スマートニュース子会社のスマニューラボ株式会社と遠野市にある株式会社NextComonsが共同開発したGameFiのプロジェクト「Game of the Lotus 遠野幻蓮譚」にて利用できるキャラクターNFTをふるさと納税NFTにてゲットできます。
↓こちらの詳細は別の記事にて解説しているので、ぜひご覧ください。
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長崎県佐世保市


出典:https://www.furusato-tax.jp/product/detail/42202/5596572?product-detail_recommend&utm_source=vc&utm_medium=affiliate&_xuid=xuid1x86c3ec37bfx3de&admane_xuid=1041,0,2112,xuid1x86c3ec37bfx3de
放牧豚オーナーNFTとオーナー豚の精肉がセットで届く日本初のNFTです。子豚のオーナーとなり約1年ほどその成長を見守り、食べるまでを体験できる”食育”のような体験もセットになったNFTです。

大阪府泉佐野市


出典:https://www.city.izumisano.lg.jp/material/files/group/19/PR20220727.pdf
人気のあるNFTプロジェクトのKawaii Girlの作者「Ame-Chan」が泉佐野市をテーマに描い たジェネラティブアートNFT作品です。市の観光名所である恋人の聖地「LOVE RINKu」を背景に描かれ、観光地のPR目的もあります。

その他

その他にも非常に多くのNFTが出品されており、執筆時点(2023年3月)で「ふるさとチョイス」のサイトでNFTと検索すると、なんと125件もヒットしました。カテゴリーもバラバラで、お肉や飲料流等の食品から、地域のお礼の品やイベントチケット等も存在しました。

出典:https://www.furusato-tax.jp/search?q=NFT

ふるさと納税を行いNFTを受けるためにはWeb3用のお財布(ウォレット)が必要です。
ウォレットの作り方はこちらの記事をご覧ください。「画像で解説!Metamask(Web3のお財布)の作り方

3.ふるさと納税 × NFTの可能性は?

では、本題です。
「ふるさと納税の仕組み」や「ふるさと納税×NFTとは何か」を理解しないと、その課題や可能性についての理解はできないと感じたので、ここまで解説をさせていただきました。
ふるさと納税×NFTの可能性について考察していきます。
結論は「非常に可能性がある」と感じています。
その理由は”これからの地方創生の在り方とNFTの相性が非常に良い”と考えているからです。

これからの地方創生の在り方

現在、日本の地方自治体は高齢化や過疎化が進んでいます。そもそも日本全体の人口減少が進んでいることも関係していますが、若者の都市への一極集中の状態も進んでおり、相対的に地方は過疎化、そして高齢化が進んでいます。その結果、消滅可能市町村が生まれ、合併も相次いで行われています。
※もちろん各自治体によって状況は異なりますが、ここでは分かりやすく一括りとして解説させていただいています。
また、高齢化が進むと物件や土地の相続、地方の伝統工芸品や農業の担い手が不足していくという問題も起きています。
こういった状況を解決するために各地方自治体は地域創生の施策を積極的に行っております。ただ、都市部へ流れた若者をもう一度定住者として呼び戻すことは簡単ではなく、苦戦している自治体が多いことが現状です。そこで、総務省は「定住人国を増やす前に関係人口を増やす」ことを目標に掲げ始めています。
関係人口とはその地域に定住はしていないが、縁のある人であったり、その地域のために何かしたいと考えている人たちです。

出典:https://www.soumu.go.jp/kankeijinkou/about/index.html

こういった関係人口を増やすことで、ふるさと納税の税収が増えたり、観光に来てくれる人が増えたり、その土地で事業を起こす人が増えたり、将来的な定住者にもつながるかもしれません。

この先の日本はさらに人口減少が進むため、地方自治体にとっては定住者を増やすことは現実的ではないので、関係人口を増やし、税収を安定させ運営していくとが、新しい地方創生の形となっていくと考えられています。

一過性ではないNFTでの関係

そういった地方自治体が目指している「関係人口の創出」と「NFT」は非常に相性が良いです。

例えば、山古氏村のNFTのようなデジタル住民票や観光に訪れた人にNFTを配布する施策など、ふるさと納税以外にも地方創生にNFTが活用されていますが、それらは”NFTを活用して関係人口を増やす”という目的で実施されています。

NFTを配布することによって、特産品の売買や観光に訪れただけの一過性の関係ではなく、一度その地域に触れてくれた人と長期的な関係を持ち続けることができます。これはまさに地方自治体が望んでいることと直結します。

ふるさと納税×NFTならではの良さ

基本的にはふるさと納税の返礼品でNFTを出すことも、同様の目的に繋がるので、非常に相性が良いと思っていますが、ふるさと納税NFTならではの良さも存在します。それは「購入者に損がない」ことです。

損がないというと誤解を生む表現かもしれませんが、そもそも納税するお金(なくなるお金)を支払うことで、NFT(と特産品)が貰えるので、購入者からすれば0円で貰ったのと同じ感覚です。

自治体側も単純に納税者が増えれば税収が増えて嬉しいですが、NFTを活用することで新しい層の開拓、一度だけの納税関係ではなく長期的な関係の構築が可能となります。また、NFTはデジタルデータなので原価や送料が発生せず返礼品として利益率が高い点も非常に嬉しいはずです。

もちろんモノをつけるNFTもあるので、一概には言えませんが、すでにモノが飽和している現代ではデジタルアイデンティティとなるアイテムを欲しがる人も増えているので、データとしてのふるさと納税は購入者にとっても、自治体にとってもwin-winとなる解決策になり得ます。

損がない状態でNFTを貰ったので、投機性が関係なく純粋にその地域を応援できるホルダーが集まりやすいという傾向もあります。価格をつけてNFTを販売すると一定数は価格の値動きを気にする必要があります。投機目的が悪いわけではありませんが、地方創生は必ずしも収益が上がる活動や派手な活動だけではないため、投機性と相性が良いとは言えません。
NFT取得後の良好な関係を築けるという意味でも、ふるさと納税NFTは地方創生NFTの中でも非常に相性が良いと言えます。

全ての地方自治体がふるさと納税NFTを出す時代が来る?

さて、ここまでふるさと納税NFTの可能性について考察してきました。
改めてですが、結論は「関係人口を増やすというこれからの地方創生の仕方とNFTは相性が良い。その地方創生NFTの中でもふるさと納税NFTはさらに相性が良い」です。

筆者自身、生まれ育ったふるさとではなく東京に住んでいます。今でもふるさとの力になりたいと思いつつも、戻って定住することは考えていません。なので、もしふるさと納税でNFTを出してくれたら間違いなく購入します。そして、その後も緩い関係を持ち続け、協力できる部分があれば積極的にしていきたいと考えています。
おそらく、そう考えている人は非常に多いと思います。そのモヤモヤを解消するためにふるさと納税制度ができたのですが、その更なる発展系としてふるさと納税NFTが定着していくと思います。

ふるさとを応援したいという気持ちは、モノが欲しいというよりも応援しているという感覚が欲しいのであり、それはふるさと納税をした瞬間だけでなく、常にふるさととつながり続ける関係を築きたいという想いがあるのではないかと思っています。

(ここまで実現するのは相当な障壁があるとは感じてますが)叶うならば、出生証明(=ふるさと証明)が役場からSBTで発行されたり、ふるさと納税NFTをし続けている人の関係人口を証明するNFTが年数で変化するダイナミックNFTとなったり、そういうNFTならではの体験も生まれてくると更に寄付が集まるようになるのではないかと思っています。

課題としては、「そもそもふるさと納税を使ってない人が多い」事と「NFTを知らない人が多すぎる」事と「地方自治体がNFTを理解してない」事です。
ふるさと納税NFTが盛り上がって来ているとはいえ、まだ地方自治体にNFTを発行するという発想がなく、発行したとしても購入する人が少ないのが現状です。

とはいえ、ふるさと納税という制度の浸透やNFTの浸透が進んでいくのは時間の問題だと思いますので、全ての地方自治体がふるさと納税NFTを出す時代が来るかもしれません。
筆者自身もふるさとのNFTが出ることを期待して待ちたいと思います!

(ふるさと納税に興味のある方はこちらから商品を探してみてください!)
さとふる

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