「メタバースと英語教育、具体的にどのような関係があるの?」
「デジタル空間での英語学習がもたらす効果とは、一体どのようなものなの?」
そんな疑問や興味を抱いていませんか?
本記事では、メタバースと英語教育の結びつき、具体的な導入事例、メリット・デメリットについて解説します。
最後まで読んで頂くことで、メタバースの英語教育について知識を深めることができます。
1.メタバースと英語学習の新しい組み合わせ
デジタル技術の進化とともに、私たちの学び方も変わりつつあります。特に「メタバース」という新しい領域が、英語学習に革命をもたらしています。
1-1.メタバースとは?
メタバースとは、インターネット上に存在する三次元の仮想空間を指します。
仮想空間では、ユーザーは「アバター」という自分の分身を通じて活動し、現実世界と同じような活動が可能です。
メタバースという言葉は「超越」を意味する"メタ"と「世界」を意味する"ユニバース"を組み合わせたもので、1992年のSF小説『スノウ・クラッシュ』で初めて使われました。
メタバースの魅力は、実際に体験することで得られる鮮明な記憶、アバターを通じた気軽なコミュニケーション、そして自ら能動的に行動することでの新しい体験の発見です。
過去には「Second Life」(※)のような3次元仮想空間が人気を博しましたが、最近ではゲームやビジネスの場でもメタバースの活用が進んでいます。
リモートワークの普及に伴い、多くの企業がVR空間でのミーティングやコラボレーションの可能性を探求しています。
【あわせて読みたい】
地方創生進化論:メタバース×地域再生の革新的7つの事例【近畿・東海・北陸編】
※Second Life(セカンドライフ)とは?
2003年にアメリカのリンデンラボ社が作った、オンラインの仮想世界を楽しむためのソフトウェアです。
1-2.メタバースが英語学習にもたらす革新
メタバースを英語学習に取り入れることで、実際の英語圏の国を訪れる体験に近い、リアルな会話の環境を仮想空間内で実現できるのです。
世界中の学習者やネイティブスピーカーと気軽に交流できる点も大きな魅力です。実践的な英語の使用や多様な文化との触れ合いを通じた学習が可能となります。
2.メタバースを活用した英語学習のメリット
ここでは、メタバース英語学習のメリットを詳しくみていきます。
2-1.日常的な会話シチュエーションを模倣できる
メタバース内では、カフェや公園、オフィスなど、日常のシチュエーションを再現することができます。
生活の中での英会話を模倣し、リアルなコミュニケーションの練習が可能です。
例えば、メタバース内のカフェで注文をするシーンや、友人とのカジュアルな会話を想定した練習が行えます。
2-2.没入体験を味わえる
VR技術や3Dグラフィックスを活用することで、まるで現実の中にいるような感覚を得られます。
この没入感が、学習者のモチベーションを高め、より深い学びをサポートします。
特に発音やリスニングの練習において、没入体験は大きな助けとなるでしょう。
2-3.学習環境やコンテンツをカスタマイズできる
メタバースのもう一つの大きなメリットは、カスタマイズの自由度の高さです。
学習者のニーズや目標に合わせて、学習コンテンツや環境を自由に調整可能です。
例えば、特定のトピックや語彙に焦点を当てたシチュエーションを作成したり、自分のペースに合わせて学習計画を立てることができます。
3.メタバース英語学習のデメリットと対策
メタバースを活用した英語学習は多くのメリットを持つ一方で、いくつかのデメリットや課題も存在します。
これらの課題を知ることで、適切な対策を講じることができます。ここでは、メタバース英語学習の潜在的な課題と、それを克服するための方法をご紹介します。
3-1.初期投資費用が高い
メタバース英語学習を最大限に活用するためには、高品質なVR機器や特定のソフトウェアの導入が必要となる場合があります。
最近では、低価格で手軽に始められるプラットフォームも増えてきています。
自身の学習目的や予算に合わせて、最適なプラットフォームを選択することで、コストを抑えることが可能です。
3-2.技術的障壁がある
メタバースの操作は、特に初めての方にとっては難しく感じることがあるかもしれません。
しかし、多くのプラットフォームでは初心者向けのチュートリアルやサポートが充実しています。コミュニティやフォーラムを活用することで、他のユーザーからのアドバイスやサポートを受けることも可能です。
技術的な障壁を感じた場合は、既存のリソースを活用して乗り越えることができるでしょう。
4.具体的なメタバース英語学習事例
メタバースを活用した英語学習は、実際に多くの場所で取り入れられています。ここでは、その具体的な事例をご紹介します。
4-1.学校でのメタバース英会話導入事例
近年、教育機関でメタバースを活用した英会話教育が注目されています。生徒たちが仮想空間内で英語を使ってコミュニケーションを取る授業が実施される事例もあります。
メタバース内では実際の英語圏の環境に近い状況で、英語を使ったコミュニケーションの練習を行うことができます。
以下から、具体的な導入事例をみていきましょう。
4-1-1.鹿児島大学教育学部附属小学校
出典:鹿児島大学教育学部附属小学校 様 【英語授業向けメタバース制作】株式会社リプロネクスト
鹿児島大学教育学部附属小学校では、高学年の外国語授業でメタバースを導入しています。
ショッピングモールやフードコートを仮想空間に再現し、児童たちは模擬接客や買い物をしながら英会話を楽しむことが可能です。
この学習方法により、児童たちの発言量が大幅に増加したと報告されています。
【プロジェクトの詳細】
4-1-2.浦和学院高等学校
出典:PR TIMES
浦和学院高等学校の生徒は、メタバースを活用した「メタバース留学」を体験しました。
留学の事前学習として、ファストフード店などのシチュエーションを再現し、生徒とフィリピン人講師との対話が行われました。
【プロジェクトの詳細】
浦和学院高等学校でVRを活用した「メタバース留学」を実施
4-1-3.羽衣国際大学
出典:Classmateチャンネル
羽衣国際大学では、オンライン教育事業者と共同で、学生がメタバース空間での「ライブ英会話レッスン」を実施しています。
この授業では、フィリピン人講師からの英語スピーキングレッスンや異文化交流が行われ、学生からは非常に好評を得ています。
【プロジェクトの詳細】
3D仮想空間メタバースで羽衣国際大学の学生達がフィリピン人英語講師とVRでライブ英会話レッスン!
4-1-4.中央大学
出典:PR TIMES
中央大学では、学生同士がメタバース空間で英語を教え合うプロジェクトを実施。
この取り組みにより、教える側・教わる側の両方でアクティブラーニングが実現され、学生の満足度も高いとのことです。
【プロジェクトの詳細】
中央大学の学生がVRを利用した英会話カリキュラムを作成して授業を催行した。メタバースにおけるVR言語教育モデルを提唱。
4-2.大手オンライン英会話サービス「AEON VR」の取り組み
出典:PR TIMES
「AEON VR」は、メタバースを活用した英会話学習サービスを提供しています。このサービスでは、VR技術を駆使して、生徒と講師が仮想空間内で対面する形でレッスンが行われます。
生徒は、まるで現地にいるかのようなリアルな英会話体験を得ることが可能です。
【プロジェクトの詳細】
英会話イーオン、メタバースで英会話を学ぶ「AEON VR」を8/23(火)よりオンラインで提供を開始!
4-3.TOEICとメタバース「IIBC ENGLISH CAFÉ」の活用
出典:TOEIC公式サイト
TOEICの公式プラットフォーム「IIBC ENGLISH CAFÉ」では、メタバースを活用した英語学習が提供されています。
ここでは、参加者が仮想空間内でのグループディスカッションやロールプレイを通じて、実践的な英語スキルを磨くことができます。
【プロジェクトの詳細】
4-4.バーチャル留学「fondi(アプリ)」の紹介
出典:fondi 公式サイト
「fondi」は、メタバースを活用して実際の留学体験を再現したサービスです。
参加者は、仮想空間内での授業やアクティビティに参加することで、留学の体験を手軽に味わうことができます。
特に、現地の文化や生活を体験しながら、英語スキルを向上させることが可能です。
【プロジェクトの詳細】
5.eスポーツとメタバースを組み合わせた英会話学習
eスポーツの人気が高まる中、そのプラットフォームを英語学習の場として活用する動きが見られます。ここでは、eスポーツと英語学習の関係性に関して詳しく見ていきましょう。
5-1.eスポーツと英語学習の相乗効果
出典:eスポーツ英会話 公式サイト
近年、eスポーツの人気が急上昇しています。
その一方で、英語学習への関心も高まっており、この二つの要素が組み合わさった「eスポーツ×英会話」のサービスが注目を集めています。実際に、ゲームをプレイする中で自然と英語のコミュニケーションが必要となり、高い学習効果が期待できます。
eスポーツタイトルの多くは海外製であり、英語が公用語になっています。
このため、ゲームをプレイするだけで、自然と英語の用語やフレーズを学ぶことができます。ゲーム内のコミュニケーションはシンプルな英語が中心で、初心者でも取り組みやすいのが特徴です。
ゲームを通じての英語学習は、従来の教科書を使った学習よりも、実践的なスキルを身につけることができます。
例えば、「AMONG US」というゲームを使用した英語コミュニケーションレッスンでは、実際のゲームプレイを通じて、英語でのアウトプットを強化することができます。
出典:GooglePlay
京都大学大学院との共同研究によると、ゲーム環境は言語生成において高いレベルのアウトプットが生まれる効果的な場であるとされています。
この研究では、eスポーツ英会話®︎を受講した生徒たちが、ゲームを通じて英語の発話量が増加し、会話が成立するようになったことが確認されました。
このような背景から、eスポーツを活用した英語学習サービスが増えてきており、その中でも「eスポーツ英会話®︎」や「ゲーミング英会話」などのサービスが人気を集めています。
これらのサービスは、ゲームを楽しみながら、効果的に英語を学ぶことができるという点で、多くの受講生から支持を受けています。
5-2.国際的なeスポーツイベントでの英語コミュニケーション事例
https://youtu.be/55RUc2_3_9A?si=wdwf__E2wt-hyy35
出典:Netflix Japan
大規模なeスポーツイベントでは、世界中からプレイヤーやファンが集まります。
このような場では英語が共通のコミュニケーションツールとして使用されます。チーム間の戦略の共有や、観戦者同士の交流など、多くの場面で英語が活用されます。
6.メタバース英語学習の実践方法
ここでは、メタバース英語学習を実践するための具体的な方法をご紹介します。
6-1.アプリで気軽にメタバースで英語学習をはじめる方法
出典:fondi inc.公式YouTubeチャンネル
メタバースでの英語学習と聞くと、高額な機材が必要だと考える人もいるかも知れませんがスマホだけで簡単にはじめることができます。
例えば、バーチャル留学「fondi」であれば専用アプリをダウンロードするだけで、気軽にメタバースで英語学習に取り組めます。
初回は1週間無料で英語学習に取り組めるようになっているため、全くお金をかけずに体験レッスンが可能です。
6-2.機材を揃えて本格的なメタバース英会話を楽しむやり方
出典:VRChat
「VRゴーグルを活用して、本格的なメタバース英会話を楽しみたい!」という方は、世界的にも有名なVRChatで学習するのがおすすめです。
VRChat自体は無料でプレイできるため、初期費用として機材さえ揃えてしまえば後は楽しくプレイできること間違いなしです。
7.メタバース英語学習の未来と展望
メタバースと英語学習の組み合わせは、まだその可能性が広がり始めたばかりです。技術の進化や社会の変化に伴い、どのような未来が待っているのでしょうか。
ここでは、その未来の展望や期待される進化について探っていきます。
7-1.メタバースと英語学習の進化の可能性
メタバースの技術は日々進化しており、それに伴い英語学習の方法も変わっていくことでしょう。
例えば、AI技術の発展により、よりリアルな会話相手としてのAIキャラクターや、感情を読み取る技術が組み込まれることで、実際の人間と変わらないコミュニケーションが可能になるかもしれません。
5Gや6Gの普及により、より高速でリアルタイムなコミュニケーションが実現し、遠隔地でもまるで隣にいるかのような感覚で学習が進められるでしょう。
7-2.今後のトレンドや期待される進化
近年のトレンドとして、メタバース内でのイベントやコンサートが増えてきています。
この動きを英語学習に応用すると、例えば、メタバース内での国際交流イベントや、英語のワークショップなどが増えることが予想されます。
AR技術の進化により、現実の世界とメタバースが融合したような新しい学習体験も期待できるでしょう。これにより、学習者は日常生活の中で自然に英語を学ぶことができるようになるかもしれません。
8.メタバースと英語学習に関するよくあるQ&A
メタバースを英語学習に取り入れることに関する疑問や、不安を持つ方も多いでしょう。ここでは、よくある質問とその回答をまとめました。
8-1.メタバース内での英語学習は、初心者にも適していますか?
初心者にも適しているといえます。なぜなら、メタバース内では、初心者向けの英語学習コンテンツやチュートリアルが多数提供されているからです。
自分のペースで学べるため、初心者でも無理なく学習を進めることができます。
8-2.メタバース内での英語学習には、特別な機器やソフトウェアが必要ですか?
特別な機器としては、VRヘッドセットが最も一般的ですが、必須ではありません。
多くのメタバースプラットフォームは、PCやスマートフォンからもアクセス可能です。ただし、没入感を高めるためにはVRヘッドセットの使用がおすすめです。
8-3.メタバース内での英語学習は、どれくらいの頻度で行うのが効果的ですか?
週に2〜3回、1回あたり20〜30分の学習が効果的です。しかし、個人の目標や進度に応じて頻度や時間を調整することが大切です。
8-4.メタバース内での英語学習の際、どのようなコンテンツやアクティビティがおすすめですか?
会話練習を中心としたアクティビティや、国際的なイベントへの参加がおすすめです。ゲーム感覚で楽しみながら学べるクイズや、ミッション形式のコンテンツも効果的です。
8-5.メタバース内での英語学習において、ネイティブスピーカーとの交流は可能ですか?
ネイティブスピーカーとの交流も可能です。多くのメタバースプラットフォームでは、世界中のユーザーとリアルタイムでコミュニケーションを取ることができます。
メタバースを活用することで、よりネイティブスピーカーとの自然な会話の機会を増やすことができます。